
中小企業診断士は独占業務がないからやめとけ・意味ないと言われるけどどうなの?
かつて田端進太朗氏が「中小企業診断士の資格はク〇だ」とツィートして物議を醸しだしたことがあります。
僕は中小企業診断士って資格はクソだと思ってます。
名刺に書いてあるだけで、残念な資格コレクター認定しますね。中小企業診断士で仕事が出来る人って知らないんだが。。。もっとも成功した「中小企業診断士」って誰? 弁護士業界の久保利センセみたいなカリスマいるの? https://t.co/zKr0s4fPvy— 田端塾長@毎朝9時「#朝マジ」@Clubhouseで朝から商魂注入! (@tabbata) January 2, 2020
中小企業診断士は独占資格もない名称独占資格だし、しかも名乗れる資格の名前が「中小企業」診断士。
資格のネーミングも微妙だし、名刺に書くのも恥ずかしい・・・
こうした理由で中小企業診断士の資格をとることはやめとこうと思った方もいるのではないでしょうか。
確かに中小企業診断士は独占業務が実質的にない単なる名称独占資格ですが、独占業務がないからといって、意味がないわけではありません。
そこで、本内容では、中小企業診断士は独占業務がないからやめとけというのは間違いである理由について解説していきます。
1.中小企業診断士はやめとけ・意味がないという人の意見
中小企業診断士はやめとけ・意味がないという人の意見の圧倒的多数は、「独占業務がない」ということです。
独占業務があることは資格を取るメリットですが、独占業務がないからといって資格をとるのが無駄だということにはなりません。
以下に、理由を解説していきます。
2.中小企業診断士は独占業務がないからやめとけは間違いである理由
中小企業診断士は独占業務がないからとっても意味がないからやめとけ・時間の無駄というのは間違いです。
理由をまとめると以下のとおりとなります。
- ⓵中小企業診断士はコンサルの資格であり、書類作成をメインとする他の士業と性質が異なる。
- ②経営に必要な知識を一通り学ぶことができる。
- ③専門業務との組み合わせで独立開業の集客に役立つ。
⓵中小企業診断士はコンサルの資格であり、他の士業と性質が異なる。
やめとけの理由ではないですが、そもそも中小企業診断士に独占業務があるかどうかという話は意味がないです。
というのも、弁理士・社労士・行政書士など他の士業は、官公署に提出する書類の作成代行をメインとするものに対し、中小企業診断士は、中小企業向けのコンサルをメインとするものです。
経営コンサルを中小企業診断士の独占業務とすると、社会的に不利益を被ります。
有償の相談業務を独占的にあつかえる資格というのは、中小企業診断士に限らず、どの資格においてもないです。(弁護士くらいではないでしょうか。)
つまり、中小企業診断士も広義の士業に含まれますが、その他の士業と異質的な存在であり、他の士業と同じ土俵で語るものではないのです。
②経営に必要な知識を一通り学ぶことができる
これが一番大きいのではないでしょうか。
中小企業診断士の試験科目は以下の7つであり、企業経営やコンサルに必要な知識が一通り身につきます。
- ①経済学・経済政策(マクロ経済とミクロ経済の2つ)
- ②財務・会計
- ③企業経営理論(戦略論・組織論・マーケティング論を一通り学べる)
- ④運営管理(生産管理と店舗販売管理の2つ)
- ⑤経営法務(会社法など)
- ⑥経営情報システム(情報系(ハードウェア・ソフトウェアなど)の勉強)
- ⑦中小企業経営・中小企業政策
参考:「こんな時だからこそ勉強しよう!中小企業診断士試験の魅力【日本版MBA】」
社会人が、これから経営を学ぼうと思っても何を勉強していいかわからず、勉強の方向・道標をまず見出さないといけないです。
これに対し、中小企業診断士の試験勉強は方向性が明確であり、上記のとおり、経営に必要な知識を一通り学ぶことができます。
さらに、中小企業診断士では独学でも十分にテキストがそろっていますし、通信講座を利用するにせよ数万円で学習環境が整います。
独学に必要なテキストはこちらで紹介。
通信講座のおすすめはこちらで紹介。
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一方でビジネス・経営を学ぶ他の選択肢としては、ビジネススクールに通うことが挙げられますが、受講料として数十万円以上はとられますし、通っても何らかの資格・実績が得られることはなく、コスパの観点からも中小企業診断士がおすすめです。
③専門業務との組み合わせで独立開業の集客に役立つ。
中小企業診断士の資格単独では独立開業にあまり役立たないと思いますが、特定の専門業務で独立開業したいのであれば役に立ちます。
独立開業で稼ぎ易いのはコンサル料(顧問料)です。
ただし、特定の専門業務だけでは、ビジネスや経営に対して理解が乏しく、なかなかコンサルの仕事をもらうことはできないです。
例えば、筆者は弁理士であり、知財を専門としていますが、ビジネスや経営について知識のある弁理士はほとんどいないと思います。
弁理士の場合、知財の申請業務だけで食べていくことも可能ですが、さらに知財コンサルタントとして顧問につけばかなりの年収アップが見込めます。
しかしながら、知財コンサルタントを目指す場合、知財の知識は不十分であり、知財を経営に活かすようにアドバイスをしないといけません。
そこで、知財の知識だけでなく、ビジネス・経営に関する知識も必要ですし、知識が十分であることを示す形のあるものが必要となります。
ここで、実績があれば話は別ですが、ほとんどの人は実績はなく、知識が十分であることを示す資格が重要となってきます。
その資格と言うのが「中小企業診断士」であり、専門業が中小企業診断士の資格をとることによって、信用が高くなり、専門業のコンサルタントの仕事ももらいやすくなります。
また、専門業と中小企業診断士という組み合わせは希少価値もあり、他の同業と差別化しやすいです。
詳しくは過去記事でも解説済みです。
3.中小企業診断士はやめとけと思う人の特徴は?
以上のとおり、社内でキャリアアップを図りたいサラリーマンやコンサル業務始めて専門業の方にとっては中小企業診断士はおすすめです。
一方で、転職で年収アップをはかりたいとか資格をとって一発逆転を狙いたいとか考えている方にとっては中小企業診断士はやめといたほうが良いでしょう。
中小企業診断士は難関資格ですし、そういう目的で資格勉強を始めて仮に受かっても得られるものは少ないと思います。
難易度についてはこちらの記事で解説中。
一発逆転を目指すなら資格として弁理士をおすすめします。