
士業が中小企業診断士の資格勉強をするメリットってあるの?
こうした疑問に答えます。
本ブログでは、筆者は士業のダブルライセンスはおすすめしないと言っています。
しかし、士業と中小企業診断士の組み合わせであれば別です。士業が中小企業診断士の資格勉強と資格をとるメリットは大きいと思います。
そこで今回は、士業が中小企業診断士をとるメリットを資格勉強をすることも含めて解説していきます。
本内容の構成
1.士業が中小企業診断士の資格勉強をするメリット
2.士業が中小企業診断士の資格をとるメリット
3.中小企業診断士のメリットのまとめ
1.士業が中小企業診断士の資格勉強をするメリット
士業が中小企業診断士の資格勉強ををするメリットは「経営に関する必要な知識を広い範囲で学ぶことができる」ことです。
「え!?たったそれだけ」と思われるかもしれませんが、とても重要なことに思います。
というのも、士業の場合、仕事は、特定業務の「相談」「書類作成」「官公署への申請」の3つしかやりません。
例えば、弁理士の場合、「特許相談」「特許出願書類の作成(と特許庁への応答案の作成)」「特許庁への特許申請」の3つであり、特に特定業務の書類の作成に偏りがちです。
このため、士業は、特定業務の専門的な知識やスキルが高まりますが、ビジネスや経営に関する知識が身につきません。
これは、弁理士に限らず他の士業にもあてはまる話であり、士業の弱点にあると思います(だから士業で起業する人は失敗しやすいかも…)
大きな法律事務所に入所した場合には、ビジネスや経営に関する勉強会が行われるかもしれませんが、たいていの士業の場合、即独立か、小さい事務所へ入所する場合が多く、ビジネスや経営に関する知識が身につかないままとなってしまいます。
もちろん、士業の場合、書類作成だけで食べていける場合もあるので、ビジネスや経営に関する知識をつける必要はないのですが、これらの知識をつけることでコンサルタントの仕事につけることもできます。
例えば、弁理士の場合、知財を経営に活かすためのアドバイスができるようになり、知財コンサルタントとして活躍することもできます。
また、お金の話で恐縮ですが、弁理士の場合、個人で事務所を立ち上げると書類作成だけでは年収2,000万円の壁を超えることは人手が足りず難しいと思います。一人で対応することは困難となり、誰かを雇う必要がでてきます。
これに対し、知財コンサルタントの仕事ももらえば、顧問料として1社あたり数十万円~数百万円の顧問料を頂くことができ、人手を雇うことなく年収2,000万円の壁をこえることはできると思います。
このように、書類作成以外にコンサルタントもできるようになれば仕事の幅が広がり、年収もあげることはできますが、コンサルタントができるようになるには専門分野の知識・スキルだけでは十分とはいえず、ビジネスや経営に関する知識も必要となります。
(ちなみに補足すると、士業の独立開業のためにビジネスや経営に関する知識を身につける必要性はそれほどないと思います。)
しかしながら、士業の場合、ビジネスや経営に関する知識を学ぶ機会がないのが現状です。
機会としてはビジネススクールも考えられますが、何から学べばよいのかもわかりませんし、スクールに通うとなると時間的な制約もでてきますし、おまけに高い費用もかかります。
一方で、ビジネス本やビジネスyoutuberから知識をつけることも考えられますが、はたして自分がビジネスや経営を理解しているのか理解度の確認が不透明であり、なかなか達成感や満足感を感じられません。
そこで、士業がお手軽に学べる機会として「中小企業診断士の資格勉強」があります。
中小企業診断士の資格科目は以下の7つでして、ビジネスや経営に関する広い知識を学べます。
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理(オペレーション・マネジメント)
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・中小企業政策
参考:「中小企業診断士の勉強時間はどれくらい?独学可能?勉強法まで徹底解説!」
中小企業診断士は国家資格であり、資格に合格すると国からビジネスや経営に関する基本的な知識を習得していることが認められたことになりますので習得したことを理解でき、達成感もあります。
中小企業診断士の場合、独学で勉強すると費用は数万円程度に抑えられますし、通信講座を利用しても費用は5~6万円で抑えられ、ビジネススクールに通うよりはコスパもよしです。
参考:「【2021年】中小企業診断士試験の通信講座のおすすめを徹底比較」
2.士業が中小企業診断士の資格をとることのメリット
中小企業診断士の資格をとるメリットは、「中小企業診断士」を名乗れることです。
中小企業診断士は名称独占資格であり、中小企業診断士という肩書をもつことができます。
一方で中小企業診断士には実質的に独占業務はありません。独占業務がないという理由で、中小企業診断士は役に立たないという意見もありますが、肩書をもつことで相手からの信頼度も大きくなり役割は大きいと思います。
中小企業診断士という資格は、士業よりもどちらかといえば企業に勤めていて、キャリアアップを図りたいサラリーマン向けの資格であり、サラリーマンからの知名度は高いです。
一方で、士業は経営なども相談できるの?と不安な方も多いですし、中小企業診断士という肩書を示すことで、ビジネスや経営に関する基本的な知識は身につけているものと理解されやすく集客につながりやすくなります。
以上のように、中小企業診断士の資格をもつメリットとしては、信頼度が高くなることが大きいです。
3.中小企業診断士のメリットのまとめ
以上をまとめます。
- 士業が中小企業診断士の資格勉強ををするメリットは「経営に関する必要な知識を広い範囲で学ぶことができる」こと
- 中小企業診断士の資格をもつメリットとしては、信頼度が高くなることが大きい
コンサルまで仕事の幅を広げたい方におすすめです(筆者は現状書類作成で十分なのでとる気はないですが、いずれは取りたいと思っています。)
士業が中小企業診断士を勉強するタイミングは本業が落ち着いたあとがおすすめです。
まずは本業を優先して、本業の収入が安定した後にコンサルなどの仕事も狙う場合に中小企業診断士の資格勉強で経営やビジネスの基本を学ぶのがよいと思います。
中小企業診断士の資格の難易度は易化の傾向にあります(特に1次試験)ので、今は資格をとるチャンスともいえます。