弁理士の難易度は高そう… 弁理士になりたいけど無理なのかなあ?
こうした疑問に答えます。
筆者は、数年前に弁理士試験を受験して一発合格(短答・論文必須・口述)しています。
東大・京大出身ではありません。普通の頭のよさです。
普通の頭のよさでも一発合格できますし、実際のところそれほど難しくはないと思います。
ではなぜ難しくないといえるのか。
結論を言うと、4つあります。
ポイント
①.受験生の年齢層が高すぎるから
②.受験生のほとんどが働きながら勉強をしているから
③ 口述試験が簡単になったことにより運の要素がなくなったから
④.勉強のための努力の方向が明確過ぎるから
本内容では、①~④について解説していきます。
もし本内容を読んで弁理士試験の難易度と合格が難しくないように思えたら最短で合格に近づくでしょう。
まずは弁理士試験の難易度と合格率を簡単におさらいし、ぶっちゃけ難易度は気にしなくてよい理由を解説します。
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弁理士試験の難易度と合格率ってどれくらい!?偏差値は!?他の資格との比較
弁理士 | 公認会計士 | 司法書士 | 税理士 | 司法試験予備 | |
---|---|---|---|---|---|
偏差値 | 75 | 77 | 76 | 75 | 75 |
受験資格 | なし | なし | なし | あり | なし |
※(参考:資格の取り方)
一見すると他の資格と大差なく、弁理士の資格も難関に思われます。
ただし、弁護士の場合には、司法試験予備試験にくわえて、さらに2回試験があったり、税理士の場合には、受験資格があったりするためこれらの資格と比べると弁理士の資格をとることの敷居は低いです。(弁理士の受験資格はなし。誰でも受験可能。)
弁理士試験の合格率はどれくらい?
※参考:特許庁HP
2013年と2014年度では合格率が極端に下がっています。
これは2013年度から、短答試験と論文必須試験の難易度が上がったためです。
この傾向は現在まで続き、今は合格率が7~8%くらいが現状です。
そうすると、弁理士の試験はやはり難しいのではないかと思われるかもしれません。
しかし、これらのデータは忘れてください。
ここからが本内容のポイントです。
弁理士試験の難易度と合格率はぶっちゃけ気にしなくてもよい理由
なぜ難易度を気にする必要はないのか。
理由は以下のとおりです。
ポイント
①.受験生の年齢層が高すぎるから
②.受験生のほとんどが働きながら勉強をしているから
③ 口述試験が簡単になったことにより運の要素がなくなったから
④.勉強のための努力の方向が明確過ぎるから
①~④についてさらに深堀すればあなたは難易度を気にしない理由がわかるでしょう。
①受験生の年齢層が高すぎる
弁理士 | 公認会計士 | |
---|---|---|
合格者の平均年齢 | 37.6歳 | 25.2歳 |
※(平成30年度弁理士試験志願者統計)。
上の受験生の年齢の比較を見ると、弁理士の平均年齢は相当高いことがわかります。
37歳と25歳では、どちらが受験勉強に有利でしょうか。
それは圧倒的に25歳です。
大学を卒業して間もないので勉強を継続できる力もありますし、記憶力なども若い方が有利です。
一方、30代後半ではなかなか試験勉強にとりかかっても合格しにくいのが実情です。
そうすると、弁理士試験の難しさは、試験自体の難しさよりも年齢が高いことが大きな要因と言えるでしょう。
さらに、他の士業と同じ基準で弁理士の難易度をはかることはナンセンスであり、難易度ランキングは気にしなくてもよいといえるでしょう。
②弁理士試験では受験生のほとんどが働きながら勉強をしている
統計でみると、平成30年度弁理士試験の受験生3977人のうち、約8割が社会人です。
つまり、受験生のほとんどが働きながら試験勉強をしています。
なかなか受からないのは当然です。
これに対し、公認会計士などの他の士業は、受験生が学生であることが多く、学生の間に勉強をして受かることが多いです。
そうすると、社会人の割合が圧倒的な弁理士試験と、学生の割合が圧倒的な他の士業の試験とを単純比較できません。
これは言い換えると、もしあなたが定時に帰れるような職場に勤めることができれば、圧倒的に他の受験生と差別化できるといえます。
特に、論文式必須試験問題は受験生の相対評価で合否が決まるということも補足しておきます。
③ 口述試験が簡単になったことにより運の要素がなくなったから
さきほどの合格率にもどります。
極端に合格率が減っている年から口述試験が易化しました。
今では合格率は90%後半です。
口述試験は、採点官の裁量で決まる試験であり、フェアではないとの指摘がありました。
昔は60%台だったこともあったのです。
このような採点官によって合否が決まりやすいアンフェアな試験は、ほぼ全員が合格することになったので運の要素はなくなったといえます。
このため、次に説明するとおり、正しい努力さえすれば合格できる試験といえます。
④ 弁理士試験では勉強のための努力の方向が明確過ぎる
弁理士試験は、勉強のための努力の方向が明確過ぎです。これが本内容で最もいいたいことです。
本当に難易度が高いようなものは、努力の方向がわからないようなものであり、それが「実務」です。
弁理士試験は、試験範囲の量が多いですが、勉強の型を知っていれば、短期間で合格できます。
論述についても通信講座を利用すれば、問題の読み方・解き方・書き方を一通り学べます。
弁理士試験に必要な教材を最低限揃え、かつ勉強の型を身につければ1~2年で合格は可能です。
必要な教材をそろえるために必要な費用は30万円あればOKです。
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弁理士試験に必要な費用は30万円あればいい話
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重要なことは難易度を気にせず、正しい方向で勉強を継続していくことです。
では具体的にその努力の方向とはどういうものか?以下に筆者が実践してきた勉強のやり方を解説します。
弁理士試験の各試験の難易度と最短合格のための勉強法
勉強法は以下のとおりです。
ポイント
1.通信講座の入門・基礎動画をひととおり全部見る
2.次に、一単元ごとに知識を定着して、定着した知識を確認するために過去問を解く
3.最後に、過去問で解けなかったところをしらみつぶしにつぶすために何度も解いていく
4.2と3を繰り返す
この勉強法は、筆者が弁理士試験で1発合格したときに使った勉強法であり、誰にでも役に立つものと自信をもって言えます。
詳しい勉強法はこちらの記事で徹底解説しています。
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この勉強法は無駄を徹底的に排除して、短期間で合格するための最短の勉強法ですのでぜひご参考に。
なお資格勉強は通信講座をおすすめします。
ここで独学で勉強はだめなのか?通学講座はだめなのか?という意見もあると思いますが、まず弁理士試験はそもそも論述試験が難関であり独学に向いていませんし、通学講座は通学時間がもったいないですし、また自分の好きな時間で好きなタイミングで勉強しにくいという問題があります。
今は通信講座1択が賢い選択と言えます。筆者も通信講座で合格しました。
通信講座はこちらの記事で紹介していますのであなたに合ったものを選びましょう。
なお通信講座のランキングは以下のとおり。
1位。資格スクエア 価格(¥265,000)・学習環境・合格実績ともに申し分なし。
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2位。アガルート 圧倒的な低価格(160,300)の新鋭予備校。合格実績が不明なのが難点だが他資格の評価は良好。
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3位。スタディング 価格は最安値(¥79,704)。論文対策にやや欠けるが合格者を輩出。
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以下試験別に難易度と対策を紹介します。
①弁理士試験の短答試験の難易度「A」
弁理士試験の短答試験が鬼門と言われます。
択一肢問題ですが、全ての問題の選択肢の正誤を判断する必要があります。(「正しいものはいくつあるか問題」)
そして、条文をしっかりと理解する必要があります。
難易度は「A」です。くわしい勉強法はこちらをご参考に。
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②弁理士試験の論文試験「必須」の難易度「S」
次に行われるのが論文試験の必須です。
特許実用新案・意匠・商標の3科目あります。
論文試験では、答えはわかっていても趣旨などをしっかりと採点者に伝える答案の書き方が重要となります。
知識のインプットだけでは十分ではなく、答案の書き方(論文の書き方)のアウトプットも重要です。
このため難易度は「S」であり最も難しい試験と言えます。
論文必須対策についてはこちらをご参考に。
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論文対策は、独学では厳しく予備校を利用することをおすすめします。
③弁理士試験の論文試験「選択」の難易度「B」
理系の院卒生や行政書士はほぼ免除ですが、それ以外の方は論文試験の選択問題があります。
理系の各専門分野(化学、バイオ、物理など)に加えて民法のいずれかから1つ選択して解答します。
問題のレベルは院卒の入学試験レベルです。
⓸弁理士試験の口述試験の難易度「D」
最後に口述試験がありますが、合格率95%ほどでして簡単です。
ただし油断は禁物です。口述模試は1回受けましょう。対策はこちら。
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弁理士の難易度と合格率についてのまとめ
以上をまとめます。
弁理士 | 公認会計士 | 司法書士 | 税理士 | 司法試験予備 | |
---|---|---|---|---|---|
偏差値 | 75 | 77 | 76 | 75 | 75 |
受験資格 | なし | なし | なし | あり | なし |
難易度と合格率を気にしなくてよい理由
ポイント
①.受験生の年齢層が高すぎるから
②.受験生のほとんどが働きながら勉強をしているから
③ 口述試験が簡単になったことにより運の要素がなくなったから
④.勉強のための努力の方向が明確過ぎるから
弁理士試験の短答試験の難易度「A」
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弁理士試験の論文試験「必須」の難易度「S」
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※論文対策は、独学では厳しく予備校を利用することをおすすめします。
弁理士試験の論文試験「選択」の難易度「B」
弁理士試験の口述試験の難易度「D」
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本ブログでは弁理士の方法を発信中です!こちらのまとめサイトをご参考に。